通信教育の歴史(7)講義録という名の通信教育

日本の通信教育の歴史は古いが、本格的な通信教育は明治10年代に登場した「講義録」に始まるといっていいだろう。 講義録は大学講義録とも呼ばれているが、発行さていた当時は、まだ現在のような大学は存在せず、 “大学”の全身となる各種学校のようなものだったため、講義録という名称でくくられることが多い。 ただし、以降、旧制の教育制度における「小学講義録」や「中学講義録」なども登場してくるので、こ…

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通信教育の歴史(6)明治時代の教育制度

日本の通信教育の歴史の中で、“通信教育ビジネスの原点”といえるのは明治初期に登場した大学講義録だ。その大学講義録とは何かの前に、まず、その誕生の背景となる明治時代の教育制度について、ざっとおさらいをしてみようと思う。 <幕末から明治へ> 明治時代は、1868年から始まるが、幕末、大政奉還、明治時代…。新政府は誕生したものの、最初の数年は、政治がどうのこうのというレベルではなく、とにか…

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通信教育の歴史(5)幕末から明治維新の印刷インフラ

通信教育には、近代的な郵便制度が必要だったが、通信教育がビジネスとして成立するためにはさらにいくつかの条件が必要だった。 <ビジネスとしての通信教育の成立の条件> 通信教育の成立する条件には、まず、郵便制度があるが、それ以前に、これら通信教育はどのようにして、受講生を集めたのかという点、つまり広告について、さらに、広告以前に、その大元となる新聞や雑誌などが、どのように普及していったの…

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通信教育の歴史(4)江戸時代の通信教育

日本の通信教育の源流をさかのぼると江戸時代に行き着く。日本の高い教育レベルの基盤が作られた江戸時代後半、本居宣長による書簡を使った添削指導に“通信教育の原型”を見ることができる。 <江戸時代の寺子屋教育> 江戸時代は、幕府による統治が完成した時代であり、政治も社会も国として安定し、商工業は発展していった。特に、大阪、京都、江戸の大都市の発展はめざましく、人々の生活には余裕が感じられる…

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通信教育の歴史(3)世界初はアメリカの通信教育

世界最初の通信教育は、1840年にイギリスのアイザック・ピットマンが始めた速記の通信教育と書いたのだが、それとは別に、1728年にすでにアメリカのボストンで速記の通信教育が存在していたという記録がある。 <アメリカで生まれた? 世界で最初の通信教育> 速記の指導者であるカレブ・フィリップ(Caleb Phillips)が、1728年4月20日発行のThe Boston Gazette…

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通信教育の歴史(2)タクシス郵便

イギリスの郵便制度は、通信教育という新たな教育機会を誕生させた。 それは1840年のことだったが、それ以前のヨーロッパでも、郵便の仕組みは、一般庶民が利用できるレベルには達していたようだ。 <飛脚と馬車による中世ヨーロッパの郵便> 13世紀頃の中世ヨーロッパでは、多くの国で飛脚や駅制がしかれていた。しかし、それらは市民が利用することはできなかったため、14世紀になると、教会や商人に…

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通信教育の歴史(1)世界初の通信教育とは

世界で初めて通信教育を始めたのは?  歴史をたどれば、古代ギリシャ時代にアリストテレスやソクラテスが、手紙を使って弟子達を指導したのが記録に残る世界で最初の“通信教育”だろう。 しかし、我々が通信教育としてイメージする、テキストや添削指導を利用した通信教育の源流といえるのは、1840年のイギリスで生まれたアイザック・ピットマンの郵便を利用した速記コースだ。 <現代に至る郵便制度…

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