教育と技術(2)カリキュラムと教材作成

同じテーマを扱っているのに、いわゆる解説書や実用書と、テキストなどの学習教材とはだいぶイメージが違うのだが、どこがどう違うのか。 どちらも目的は同じ、“教える”ための書物である。どちらのページも、同じように、文章や図版などがレイアウトされている。「ステップbyステップ」の考え方も似ている。それでも“イメージが違う”のは、テキストはまずカリキュラムをベースに組み立てられているというところにあ…

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eラーニング(2)ネットで学ぶ大学教育--WIDE

<無料で学べるeラーニング> 質の伴わない無料のeラーニングは害あって一利無しだが、しっかりした内容のeラーニングが増えるのはネット利用者にとって大変ありがたいことだ。もちろんなんでもタダですまそうというのではないが、 <大学が教育コンテンツをネットで公開> WIDE University School Of Internet は、村井純氏(慶應大学環境情報学部教授)が代表をつ…

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通信教育★考える(5)ドライテストとウエットテスト

<集客実務者向け> 通信教育の開発は、市場調査の精度が商品の成否を決めるといわれている。その理論や手法などは専門家にまかせるとして、ここでは、媒体特性と市場ニーズ、そして訴求表現テストを兼ねた“広告テスト”である「ドライテスト」「ウェットテスト」という用語についてまとめておいた。 <広告テストの手法> かつて、通信教育は、業者リストを購入してダイレクトメールで集客する。また、新…

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eラーニング(1)サイバー大学の誕生

明治から戦前まで、日本の私立大学は、講義録や校外生制度により、かなり自由な通信教育による大学教育を行っていたが、戦後間もなくの新しい大学制度によって、通信教育は1つの学部として扱われることになり、校外生制度も廃止され、数少ない大学が、通信教育学部を持つだけになった。 わずかに存在する通信教育学部にしても年に1ヶ月、通学が必要となるスクーリングが義務づけられており、通学が不可能な遠隔地の学生、働…

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保健・医療(2)メタボリックシンドロームとは

日本の「メタボリックシンドローム(代謝症候群)」の診断基準(男性85センチ、女性90センチ以上:内臓脂肪の面積に対応する値)について、見直しの動きが出てきている。もともと基準が発表された当初から疑問視する声も多かったが、5年10年単位での調査や疫学的な知見も必要なため、まだまだ見直しや改善は続くはず。 <メタボリックシンドロームの歴史> メタボリックシンドロームの概念は、1988年、…

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教育と技術(1)先端技術と教育

通信教育は、その時代の新しいコミュニケーションツールや、他の指導や学習メソッドを大胆に取り入れてきた。特に、民間の通信教育ビジネスではそれが顕著だ。 <モバイル・ユビキタスと通信教育> ベネッセの新しいモノ好きのDNAははかつても今も変わらないようだ。今や巨大な教育企業ゆえめったに新規事業はやらないが、次世代のネタ探しは怠らないといったところ。以下は、とりあえずの参考まで。 東…

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通信教育の歴史(6)明治時代の教育制度

日本の通信教育の歴史の中で、“通信教育ビジネスの原点”といえるのは明治初期に登場した大学講義録だ。その大学講義録とは何かの前に、まず、その誕生の背景となる明治時代の教育制度について、ざっとおさらいをしてみようと思う。 <幕末から明治へ> 明治時代は、1868年から始まるが、幕末、大政奉還、明治時代…。新政府は誕生したものの、最初の数年は、政治がどうのこうのというレベルではなく、とにか…

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通信教育★考(3)怪しい通信教育

<通信教育=怪しい商品> どんなビジネスにも悪徳業者がいるのはいつの時代も変わらない。通信教育もご多分に漏れず、誇大広告や粗悪な教材などの詐欺的な方法が存在する。 最近では、法律がきびしくなり、悪徳業者にとってのリスクが高くなったことで、詐欺的な通信教育はあまり見られなくなったが、いまだにレベルの低い教材などを販売している業者もいる。それが、通信教育=怪しい商品というイメージをぬぐえ…

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通信教育の歴史(5)幕末から明治維新の印刷インフラ

通信教育には、近代的な郵便制度が必要だったが、通信教育がビジネスとして成立するためにはさらにいくつかの条件が必要だった。 <ビジネスとしての通信教育の成立の条件> 通信教育の成立する条件には、まず、郵便制度があるが、それ以前に、これら通信教育はどのようにして、受講生を集めたのかという点、つまり広告について、さらに、広告以前に、その大元となる新聞や雑誌などが、どのように普及していったの…

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通信教育の歴史(4)江戸時代の通信教育

日本の通信教育の源流をさかのぼると江戸時代に行き着く。日本の高い教育レベルの基盤が作られた江戸時代後半、本居宣長による書簡を使った添削指導に“通信教育の原型”を見ることができる。 <江戸時代の寺子屋教育> 江戸時代は、幕府による統治が完成した時代であり、政治も社会も国として安定し、商工業は発展していった。特に、大阪、京都、江戸の大都市の発展はめざましく、人々の生活には余裕が感じられる…

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通信教育★考(2)小説の中の通信教育

小説の中に通信教育で学んだ登場人物が描かれているものがある。 ギャグで使われている場合が多い…のだが、いくつかリストアップしてみた。 【探偵術教えます (晶文社ミステリ)】お屋敷付き運転手のP・モーランは通信教育の探偵講座を受講中…。運転手である主人公と通信講座の教官による往復書簡形式。気分はすっかり名探偵の彼は、探偵術を試してみたくてたまらない。ところが尾行の練習に選んだ相手が“たまた…

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通信教育の歴史(3)世界初はアメリカの通信教育

世界最初の通信教育は、1840年にイギリスのアイザック・ピットマンが始めた速記の通信教育と書いたのだが、それとは別に、1728年にすでにアメリカのボストンで速記の通信教育が存在していたという記録がある。 <アメリカで生まれた? 世界で最初の通信教育> 速記の指導者であるカレブ・フィリップ(Caleb Phillips)が、1728年4月20日発行のThe Boston Gazette…

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中国を学ぶ(1)孔子学院

最近、全国紙の社会面などで、「孔子学院(こうしがくいん)」に関する記事をよく見かける。 当初は、中国に「孔子学院」という学校があって、その分校、あるいはブランドを認可して世界中に中国語会話を輸出するというものでは…と思ったのだが。 <孔子学院とは> 中国語も文化も本格的に学べるプログラムらしい、 中国語普及のため、中国政府が国策として2004年に設立。管理者、教師、テキス…

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医療と学習(1)ペイシェント・コンプライアンス

ペイシェント・コンプライアンス(Patient Compliance)という言葉がある。ペイシェント(患者)とコンプライアンス(従う・守る)が合体した言葉だ。 医療における「コンプライアンス」は、患者が医師の指導や服薬の指示に従うという状態を表し、医療の各フェーズにおける患者対応の改善、そのための方法なども含まれた用語だ。「医療コンプライアンス」「ペイシェント・サービス」「Patient …

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通信教育の歴史(2)タクシス郵便

イギリスの郵便制度は、通信教育という新たな教育機会を誕生させた。 それは1840年のことだったが、それ以前のヨーロッパでも、郵便の仕組みは、一般庶民が利用できるレベルには達していたようだ。 <飛脚と馬車による中世ヨーロッパの郵便> 13世紀頃の中世ヨーロッパでは、多くの国で飛脚や駅制がしかれていた。しかし、それらは市民が利用することはできなかったため、14世紀になると、教会や商人に…

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通信教育の歴史(1)世界初の通信教育とは

世界で初めて通信教育を始めたのは?  歴史をたどれば、古代ギリシャ時代にアリストテレスやソクラテスが、手紙を使って弟子達を指導したのが記録に残る世界で最初の“通信教育”だろう。 しかし、我々が通信教育としてイメージする、テキストや添削指導を利用した通信教育の源流といえるのは、1840年のイギリスで生まれたアイザック・ピットマンの郵便を利用した速記コースだ。 <現代に至る郵便制度…

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