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zoom RSS 通信教育の歴史(7)講義録という名の通信教育

<<   作成日時 : 2007/10/18 08:43   >>

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日本の通信教育の歴史は古いが、本格的な通信教育は明治10年代に登場した「講義録」に始まるといっていいだろう。

講義録は大学講義録とも呼ばれているが、発行さていた当時は、まだ現在のような大学は存在せず、
“大学”の全身となる各種学校のようなものだったため、講義録という名称でくくられることが多い。
ただし、以降、旧制の教育制度における「小学講義録」や「中学講義録」なども登場してくるので、ここでは区分をはっきりとさせるために大学講義録と呼ぶことにする。

<大学講義録とは>

講義録は、大学の講義の教科書としてまとめられたものや、自学自習のためのテキストとしてまとめられたものなど様々だが、読者の多くは、大学進学が不可能な地方の青年だった。

当時は、学生が集まらなかったこともあって講義録を販売して収入を得ていたという内情もあるようだが、講義録の人気の高まりとともに、私学を中心に講義録による通信教育が広がっていった。

●法政大学
法政大学の前身となる東京法学社(設立:1880年)は1885(明治18)年に講義録を発行を開始する。
http://www.hosei.ac.jp/hosei/gaiyo/daigaku_shi/soritsu.html

●中央大学
中央大学の前身となる英吉利法律学校(設立:1885年)は、同年(明治18)に講義録を発行を開始する。開校と同時に日本初の校外生制度(校外生から編入できる)を設け、通学できない人々のために教材として講義録の提供を開始した。
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/about/pdf/a08_02_ch1.pdf

●早稲田大学
稲田大学の前身となる東京専門学校(設立:1882年)は、1886(明治19)年に講義録を発行を開始する。
講義録による校外生制度を発足させた。同校の講義録は政学講義会より発行され、教科書の代替物ではなく遠隔学習の教材として使われた。これは,毎月2〜3回送られてくる講義録を自習し,卒業試験を受け卒業証書が授与されるという方法だった。

この講義録と校外生制度については以下が参考になる。

佐藤能丸氏による「早稲田の歴史」のコラム
第3回 創立20周年 早稲田が「大学」になる〜独特な「校外生制度」〜
http://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2007a/124k.html
上記URLは、WEB学生新聞「早稲田ウィークリー」のコラム「ワセ歴」にある。
http://www.waseda.jp/student/weekly.html

この校外生制度は、戦後の大学制度変更によって廃止されるまで多くの卒業生を世に送り出した制度だった。

当時、通学が不可能な学生だけではなく、まず始めに通信教育の受講生(校外生と称する)となり、
その後で編入して本格的に学ぶというケースがかなり多かったという。

「早稲田大学リポジトリ」のHPにある、「法科交友回顧座談会」を参照。
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/handle/2065/1659
「早稲田大学リポジトリ」のURLは以下。
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/index.jsp

<講義録余話>

なお、現在でも「講義録」は、通信教育ではない一般名称として出版物に使われ、特に大学の出版物などでは多く使われている。
http://www.waseda-shop.com/w125/images/kougiroku.jpg

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